新年あけましておめでとうございます。本日は昨年からの積読モノお片付けその2ということで「カラマーゾフの兄弟(ミステリーカット版)」を読み終えまして、大学生の時に一度は挑戦した読破を、260Pのカット版ではありますがリベンジしたところでございます。
当時よく読んでいた、村上春樹氏の小説の中にもいくつかカラマーゾフエピソードが登場していたので大学生の頃読んでみよう!と挑戦したのですが、かなり初期の段階で断念。30年間積読しておりましたが、そうかそうか犯人はあいつだったか、それでそうなったかと決着がつきました。
原作は1880年に発表されたものなので、つまり145年も前の作品なのですが「良心」への光の当て方みたいなモノを突きつけられており、しかもそのモチーフとなったのは作者が若かれし頃に体験した四年間のシベリア収容所での流刑生活でした。
ドストエフスキーは若くして売れっ子作家となり、しかし直後にその舞台から引き摺り落とされて、死刑宣告までされシベリア流刑となるなど波瀾万丈な人生でしたが、その辛い体験が今だに読み継がれる傑作の土台となったのです。
これを知ると、壮絶ではありましたがやはり「人生塞翁が馬」という故事を思わずにはおられません。そんな145年の重みとか、人間の本質ってそんなに変わらないな〜とかそんなことを正月早々感じせせてくれた今回の頭木弘樹編著ミステリーカット版 カラマーゾフの兄弟 おすすめです。