定番っていうのは安心感があるし、失敗がない。だからお店、メニュー、装い等々無難にそれを選んでしまう。大好きな映画007シリーズ初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリー。英国紳士らしくタキシードをビシッと纏うその腕元にはダイバーズウォッチ。映画公開当時、タキシードにはドレスウォッチがど定番の時代にこの型破りなスタイルは「めっちゃカッコいい!てゆうかアレOKなんだ!」と世界中でそのスタイルが真似されたと言います。
ジェームズ・ボンドはイギリス海軍出身という設定だったということもありますが、それにしても現在スーツスタイルにダイバーズウォッチなどのスポーツウォッチがOKなのは、この映画の影響が大きいようです。型破りが一つのスタイル・世界観として確立された好例かもしれません。
20代の頃、師匠の故秋山周三氏から「守破離」という言葉を教えて頂きました。まずは型を守り、型通りにやる事が第一段階。そして型を破ることでそこからオリジナルを生むのが第二段階、そして最後はその場に合わせ最高のパフォーマンスを発揮できるフリースタイルという型を得る。これが「守破離」そんなふうに教えてもらいました。
30代になって師匠から「まだそんなことやってんの?」と言われたことがあります。その時私は、型によくも悪くもハマっていて進歩していない、そう師匠は感じたのかもしれません。けどどうやって自分のスタイルを見つける?型を破ればいいの?とずっとその答えは出せず、誰かと自分を比較して答えを出していたように思います。
今年、私は40代も後半を迎えます。30代の私に無くて今の私にあるモノ、それは確固たる理念(なんの為に)です。ボンドでいうイギリス海軍みたいな、自分が何で何がしたいのかっていうバックボーンっていうのがしっかり出来ている。型が形式でなく、本当の意味でのかたちになっている。だからそれを壊して行くことができる。そう思うのです。
ということで、いよいよ守においとまして、型を破る時のようです。師匠見ててよ〜。