| 総合案内 | 0235-24-1048 |
|---|
| ゴミ受付 | 0235-25-0801 |
|---|
| 窓口 | 8:30〜11:45/13:00〜16:30 |
|---|---|
| 電話対応 | 8:00〜12:00/13:00〜17:00 |
| 定休日 | 日・祝・土曜不定休・年末年始 |
私は父の会社を継いだから、
仕事というのは、これしかないと思ってきた。
それでも、ときどき思う。
本当は、自分は何をしたいのだろう、と。
腕時計が好きだから、
「65歳になったら、時計屋さんにでもなろうかな」
と妻に言う。
「儲からなそう」
そう言って、妻は笑う。
でも私は知っている。
父から受け継いだのは、清掃という仕事だ。
そしてこの仕事をしているとき、
自分はいちばん幸せだということを。
楽な仕事ではない。
無理をすることもあるし、
しんどい現場もある。
それでも、現場に立っていると、
自分がちゃんと、ここにいる感覚がある。
私は、この仕事が好きだ。
そしてここが、
私がいちばん、活きる場所だ。
今年最後の空家整理の現場が終わった。
空き家から、どんどんモノが運び出されていく。
掃除機で、タンスの裏に溜まった
ヤニの混じった綿ぼこりを吸い、
ネズミのフンを箒で集めていく。
そうしているうちに、
家そのものが、深呼吸を始めるのが分かる。
この家は、解体されるという。
それでも、最後は掃き清める。
解体前の空家を、ここまで丁寧に清掃する業者は多くない。
ご依頼主から、特別な指示があるわけでもない。
けれど、これは私たちにとって大切な儀式だ。
ここにあった想い出を、
どこか天国みたいな場所へ送り出すための、儀式だ。
そんな、今年最後の儀式が終わった。