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息子から「ネクタイの結び方を教えて」と言われて、やっぱり嬉しかったですね。
私が父にそれを教えてもらったのは、たしか高校を卒業して、初めてスーツを買ったときのこと。いろんな結び方がある中で、いまだに私はその時教わったやり方を守っています。だから今回、息子に伝授したのは、私が父から受け継いだネクタイの結び方。そう話すと、息子も「ふ〜ん」と、ちょっとした“歴史”のようなものを感じていたようです。
40代になってようやく、スーツやネクタイ、靴下の色やデザインのバランスが少しずつ分かってきました。でも、若い頃は自分のセンスだけで揃えようとすると、とんでもなくチグハグになるんですよね。だから最初の一着は、父に選んでもらうのが正解でした。
今回、息子は制服のネクタイだったのでスーツ選びまではいきませんでしたが、きっと3年後、高校を卒業する頃には、彼のためにスーツを選ぶ日が来るはず。そのとき、どんな表情で鏡の前に立つのか、今から楽しみです。
私が父に選んでもらったのは、ミディアムグレーに、細く水色のストライプが入った、バーバリーのスーツ。それはもう、自分でも惚れ惚れするほどかっこよくて。あのときの父の誇らしそうな顔を、今でもはっきりと覚えています。
こうして受け継がれていく“父と息子の一着”には、ただの布以上のものが宿っている気がします。
あの日のあのスーツのように、きっと彼の記憶にも、今日のこのひとときが残ってくれたら、それだけで、十分です。