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昨日、漫才日本一を決める
M-1グランプリ が開催された。
そんな夜、親友からLINEが入った。
「M-1なんか、俺が緊張するわ〜」
思わず、少し笑った。
舞台に立つわけでもないのに緊張する。
けれど、その気持ちはよく分かる。
彼はエバース推しだった。
実は、私も息子も、やはりエバース推しだ。
決勝一回戦、エバースのネタは圧倒的だった。
空気を一気に持っていく力。
結果は一位通過。
「これはいったな」と、家の中の誰もが感じていた。
だが、M-1は最後まで分からない。
三組に絞られた最終決戦。
そこで一気に景色を変えたのが、たくろうだった。
たくろうのネタは、考えなくてもスッと入ってくる。
説明を待つ必要がない。
設定が提示された瞬間、もう頭の中に情景が浮かぶ。
気づけば笑っていて、
気づけば、その世界に入り込んでいる。
審査員の 塙宣之 さんが言っていた
「絵が見えるネタ」という言葉が、これほど腑に落ちたことはない。
その強度が、たくろうはずば抜けていた。
エバースの緊張感と構築力。
たくろうの没入感と自然さ。
どちらが上、という話ではない。
ただ、あの場面で、あの空気の中で、
一番深く刺さったのが、たくろうだった。
結果発表を見て、
息子は静かにうなずき、
私は少し悔しくて、それでも納得していた。
しばらくして、息子がぽつりと呟いた。
「M-1ほど、ライブで見たくなるものはないよね」
なるほど、と思った。
あの数分間は、編集もやり直しも効かない。
その場の空気、間、緊張、すべてが一度きりだ。
だからこそ、あれほど心を掴まれるのだろう。
この結果には、きっと誰もが納得だっただろう。
そして、わずか4分間のステージに、
どれだけの熱と時間を詰め込んできたのか。
そう想像した瞬間、胸の奥が、じんわりと熱くなった。
だから、他人事なのに緊張する。
だから、推しが負けても、拍手をしてしまう。
M-1は、笑いの大会でありながら、
本気で積み上げてきた時間を、
世代を越えて共有させてくれる夜なのだと思う。