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プレゼントを贈る日といえば、誕生日かクリスマス。
だいたいそんなものだろう。
大人になると、どちらも少しずつ形骸化していくが、
子どもにとっては世界の重心がそこにある。
今から10年ほど前。
保育園に通っていた息子が、サンタさんにお願いすると言い出したのが、
ペッパーだった。
あの白くて、しゃべって、感情表現をするコミュニケーションロボット。
屈託のない笑顔で、
「サンタさんなら持ってきてくれるよ」と言う。
当時の価格は20万円弱。
さすがにそれは…と、大人の側は顔を見合わせたが、
本人にはそんな事情は一切関係ない。
そして迎えたクリスマスの朝。
玄関先に置かれていたのは、ペッパーではなく、
スーパーファミコンミニだった。
「……ペッパーくんじゃない」
その一言と一緒に、息子の表情が少しだけ曇った。
申し訳なさと、これで良かったのだろうかという迷い。
そこで、
「どれどれ」と父である私がテレビに繋いだ。
マリオカート。
ストリートファイター。
コントローラーを握った瞬間、
指が勝手に動く。
昔とった杵柄とは、よく言ったものだ。
必殺技を出しまくり、少し得意げにやってみせた。
すると、息子の反応が変わった。
「え、なにそれ!」
「もう一回やって!」
さっきまでの落胆はどこへやら、
目がキラキラに変わっていく。
「どうだ、やってみるか?」
そう声をかけた瞬間、
サンタは確かに、そこにいたのだと思う。
そのゲーム機も、数年後、
妻がそれと分からず中古屋さんに売ってしまった。
よくある話だ。
けれど、小林家の食卓では、
「あのゲーム、またやりたいね」
そんな話題が、たまにのぼる。
サンタが来なくなって久しい小林家。
今年は、そのゲーム機をもう一度買おうと思っている。
驚かせたいのは、子どもたちなのか。
それとも、
あの頃の家族の時間なのか。
プレゼントとは、
モノを渡す行為ではなく、
同じ時間を思い出せる記憶を残すことなのかもしれない。
そんなことを考えながら、
今年のクリスマスを迎えようとしている。