出会いというのはその時々にある訳ですが、よく言われるのが【その出会いは遅くもなく、早すぎることもない】つまり今がベストのタイミングであるという事です。
人や物、本など、人生には多くの出会いの時があるのではないでしょうか。今年2023年、廃棄物処理業を営む私たちの会社は47期目を迎えました。会社が生まれたのは1977年昭和52年7月8日。本日が設立の日です。
これまで様々な時代の変化に耐えたり進化したりしながらこの会社を繋いで来たと思います。そして私は3代目の社長。社長になって8年目ですがこの2023年ほど時代の変わり目を感じる年はありません。廃棄物の法律が大きく改定されたということもありませんし、外見は多分去年とさほど変わらない。しかし何かが違う。これは当社に限った話なのかもしれませんが、会社の空気感が違うんです。
これは私の人生のセンターピンつまり人生の目当て、ターゲットが変わったからなのかもしれません。どう変わったかというとこれまでは「私が」が主語だったのですが、これが「私たち」になり、「私たち」をベースとした目当てに変わったのです(回りくどい説明です)。
とにかくそんな変わり目に、一冊の本と出会いました。櫻井彩子著「私はエコアナウンサー〜SDGsをジブンゴトに〜」です。櫻井さんとの出会いは、2019年のハウスキーピング協会主催、整理収納フェスティバルに講話者として登壇した際、司会をされていた事がきっかけでした。司会者と登壇者なのでそれほど接点はないのですが、私が廃棄物処理業者の社長で整理収納アドバイザーであることや、櫻井さんは秋田のご出身ということでお隣の山形であることなど、エコアナウンサーである櫻井さんに印象深かったのか気に留めて頂いておりました。
エコアナウンサーというのはエコロジー(環境)とエコノミー(経済)の統合によって持続可能な社会を目指すアナウンサーという意味で、その価値観の基、活動されているのが櫻井アナウンサーです。
聡明という言葉が真っ先に浮かぶ佇まいの氏なのですが、性別を越えて素敵な人、憧れの人だと感じ私は尊敬していました。そんな氏の新聞記事を2023年6月19日の山形新聞「この人」に見つけました。
早速連絡せていただくと、すぐに今年4月30日に出版されたこちらのご本を送ってくださいました。この本は、つまりは櫻井氏の自叙伝であり、今とこれからをSDGsとともに織りなした作品でした。そして氏が現場で見て来たこと、感じて来たことがそのままに記され、その心がそのままにある本だと感じました。
氏は40歳で母となるのですが、その娘さんへの贈り物のようなそんな温かみが溢れる内容ですが、最後の「未来へ娘へ」の詩は心を打たれました。詩を読んで、奇跡×奇跡以上の確率である地球や我々の尊さや存在価値・意義を想い、ものすごいエネルギー、これはきっと母性のエネルギーだと思ったのですが、を感じる事ができました。
環境と経済はトレードオフではなく、これからはイコールになる。これがこの年の変わり目である。そう気付かせていただいた本との出会いでした。