12月号の人間学を学ぶ月刊誌致知、いつも読みたいところだけ読んでいるのですが、今月は山形市で精神医療のクリニックを開業している阿部クリニック院長阿部憲史さんのインタビュー記事が特に感動しました。
阿部氏は大学時代ラグビーの試合中に頸椎を骨折して以来、首から下が全く動かない状態で車椅子生活を続けています。しかし、その逆境から医師免許取得、結婚、クリニック開業という人生を歩んでらっしゃいます。
私がこのインタビュー記事で感動したのは、患者さんへの氏の言葉のかけ方・接し方でした。氏は精神医療の現場で医師として自身の体験を患者様に示すということを全くしていないのです。氏は、私は誰も周りにいなければ数日で息絶えてしまう。「こんな弱い存在でも皆の力に支えられて仕事ができ、君とこうして真剣に向き合っているんだ」という正直な思いを吐露すると気持ちが通じ合い、相手に力が与えられるように感じています。と語っています。
自分が究極に弱い存在で、死にたいとすら口にしてしまう日々の中、自分を支えてくれる人たちのためにと気持ちを切り替えると、運命を背負い、その中で最高の人生を模索していこうという強い気持ちが湧いてくるんです。そう語る氏の言葉に、勇気と希望そして誰かの為にと行動することの大きなエネルギーを感じることができました。
致知12月号 特集 敬、怠に勝てば吉なり より一部抜粋