プロ農家さんからこんなことを教えていただきました。植物っていうのは窒素(栄養)を与えれば与えるほど吸収し大きくなるが、体内で消化できなくなるほど吸収してしまうと毒素のようなものを発散させる。そうすると虫が好んでやってきて食べようとするが、そこに人間が農薬を散布して虫を殺してしまう。なんだか植物の悲鳴が聞こえてきそうです。
家畜などもそうだと思いますし、つまりは人間も欲しい欲しいと際限なく肥えさせられて、毒素を発散させながら生きてしまっているのかもしれません。植物が窒素を無尽蔵に吸収してしまうのは、窒素が無尽蔵に与えられるという環境がこれまでなかったため、ブレーカーに相当する機構がないからなのでしょう。
人間においても、欲というのに際限というのは無いと思いますし、その欲望を満たすべく、天井知らずの価格を付けられたモノ達が存在しています。一度そのループに入ったら欲望には贖えず、どんどん肥大化して行く。そう、欲望をコントロールすることって、生物にとって一番難しいことなんだと思います。
自分にとっても大変怖いことだなと感じました。じゃあどうやって生きると良いのかな?そんなことを考えたのですが、お片付けの世界では、モノの適正量を決めることを推奨しています。
理想の体型に導いてくれるパーソナルトレーナーという職業がありますが、これは食事や運動の適正量というのを定めて、管理してゆくということなんだと思います。私たちはモノの整理においてこれをやっているというと分かりやすいでしょうか。どんな暮らしがしたいのかを一緒に考えて、それに合わせ適正量を定め、定位置管理をする。これがお片付けのゴールであり私たちがお届けしている整理収納のお仕事です。
だから人生、どうなりたいかを決めて、やる事を定めて、管理する。これなんだと思います。夢なのか欲望なのかなんだか分からなくなったり、決して欲望が悪ということではないのかもしれませんが、振り回されたり、欲に自分を乗っ取られるってことだけは避けたい。理想の人生にとっての適正量、しっかり定めて管理して行きたいですね。