「特殊清掃」この言葉を耳にした時にどれほどの人が理解できる言葉なのかといつも考えてしまいます。まだまだ一般的な言葉ではないと思うのですが特殊清掃とは、孤独死(看取られる事なく亡くなること)発見後に行われるお部屋等の原状回復作業のことを言います。そして作業内容というのは、遺品整理やモノの捜索・消臭からハウスクリーニング・リフォームまでと多岐に渡り、その状況によって費用も大きく変わります。
孤独死や特殊清掃というのは無ければそれで良いのですが、これはいつ誰にでも起こり得る事でもあり、孤独死は自宅で亡くなる方の15%以上にのぼるというデータもありますので、日頃からの備えが特に大切であると思いますので、情報提供という観点ですが特殊清掃の現場でご遺族が困るケースから2つをご紹介します。
①【マイナンバー及びマイナンバーカードは家族間で情報共有しておくべき】 マイナンバーカードこれをお持ちの方も増えて来たことと思います。故人のカードは死亡届を市区町村役場に提出した時点でカードは効力を失い、もっと言うと返却の義務はありません。しかし、遺族年金の申請の際に申請者のマイナンバーが、または相続税の申告には相続人全員のマイナンバーが必要で、故人名義の生命保険等の申請手続きなどでは故人のマイナンバーカードが必要となる場合があります。そのため各種手続きが終わるまでは故人のカードに関しては手元に残しておくことと(悪用されるとの恐れもありますので、時期を見て返却するのも良いと思います。)、元気なうちから家族各々のカードがどこに置いているかという点については話題にして情報共有が必要であると思います。(その他故人の運転免許証やパスポートは返却が必要です。)
②【インターネットの解約手続きに必要な契約書とレンタル機器についての情報共有が必要】 故人が契約したインターネットの解約が出来ずにご遺族が困っているケースというのは多くあります。契約書などは比較的すぐに見つかるのですが、意外と忘れがちなのがNTTなど契約先からレンタルしていた機器の返却です。全ての加入者にレンタル機器があるわけではないのですが、ルーター・モデム・スプリッター・無線LANカード・各種アダプター・宅内配線コードとそのアイテム数は多く、その上契約内容によってその機器は異なり、小さくてご自身でも似たようなモノを多数購入している場合があるので、分かりにくい事象です。
返却時には工事が必要となる場合もあるのですが、まずは契約先に電話をして確認してください。返却には専用の伝票・袋を使い郵送する場合が殆どです。こういった情報の共有というのは意外と難しいのですが、インターネットの解約事には返却しなければいけないレンタル機器がある事を認識しておきましょう。
ということで2つご紹介しましたが、情報の共有というのは何かきっかけでも無いと始まらない場合が多いですから、気に留めておく事が肝心です。