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今日は地域の資源回収の日。年に数回のこの行事も、気づけばもう20年近く関わっている。朝の空気は少しひんやりとしていて、トラックの荷台が冷たく、心なしか町の景色も静かだ。
ここ数年、特に感じるのが「紙」の変化だ。新聞紙も雑誌も、明らかに減ってきている。情報の主戦場が紙からスマホやタブレットに移ったのは言うまでもないけれど、それにしても落差が大きい。かつての紙の山は、知識や娯楽の象徴だった。今はその役目を終えたように、ひっそりと段ボールの陰に隠れている。
その代わりに増えたのが通販の箱。Amazon、楽天、ヨドバシ……町の半分は段ボールでできてるんじゃないかと思うほどだ。中身はもうないが、ラベルからわかるのは「人とモノが直接会わなくても成立する暮らし」の姿だ。誰とも会わず、どこにも行かず、欲しいものは家に届く。便利だけれど、少しだけ寂しい。
面白いのは、時々混ざって出てくる古い漫画の単行本。今日は『魁!!男塾』に『孔雀王』。濃い。今のコンプライアンスに引っかかりそうな勢いが、むしろ新鮮だ。「こういう時代だったんだよな」と苦笑しながら束ねる。教科書や辞書もよくある。これはきっと、誰かが巣立った印だ。受験を終えた子どもが、親に「もうこれ捨てていいよ」と言った瞬間を想像して、少し胸が温かくなる。
回収を手伝うメンバーも、かつては“青年団”だったが、今や“人生経験豊富団”。作業中に飛び交うのは「肩がね」「五十肩かも」なんて健康話。でもその合間に、「息子が帰ってこなくてね」とか「この辺も空き家増えたなぁ」なんて呟きが混じると、あぁ、町も変わってるんだなと実感する。
そして、必ず誰かが言う。「そこの若いの、こっちも持ってってくれや!」。“若いの”と呼ばれる最後の世代として、私は今日もトラックの荷台に乗る。段ボールも漫画も辞書も、すべては誰かの暮らしの断片。そのひとつひとつに、地域の時間が詰まっている。