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827/1000 好きだからこそ一本に絞る 

2026/02/26
827/1000 好きだからこそ一本に絞る 

完璧に、ウール素材の衣類は季節感がなくなった。

その境目が今週だったのではないかと感じている。

明日から関東へ出張。

ウールのスーツを着ていく予定だったが、やめた。

たったそれだけのことなのに、装いは意外と繊細だ。

この時期の出張は、着るものに少し悩む。

同じように悩むのが、時計である。

私は時計にかなり入れ込んでいる。

暇な時間の多くは、時計のことを考えている。

自分でもなぜなのか分からないが、やめられない。

きっと時計に自分を投影しているのだと思う。

本当は複数本持っていた方が合理的だ。

靴の色、ベルトのバックル、鞄のジッパー。

それらに合わせて時計を変えられたら、どれほど楽だろう。

だが、ポリシーとして相棒は一本と決めている。

だからこそ、時計のベルトを替える。

同じ時計でも、ダークブラウンのレザーをつければ柔らかくなる。

ブラックにすれば引き締まる。

ステンレスブレスに戻せば、季節と同調する。

時計そのものは変わらない。

けれど、縁取りが変わるだけで、まるで別の人格のようになる。

これが楽しい。

こんなに楽しいことはない。

制限があるからこそ、工夫が生まれる。

一本しかないからこそ、向き合う時間が濃くなる。

どうでもいいポリシーかもしれない。

けれど、こういう小さなこだわりが、自分の輪郭をつくっているのだと思う。

明日はどのベルトで行こうか。

そんなことを考える時間が最高に贅沢だ。
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