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621/1000 息子と“文学の入口”を探して 

2025/07/30
621/1000 息子と“文学の入口”を探して 

高校一年の息子が、夏休みに突入した。

部活とスマホ三昧の日々に、学校からひとつだけ渡されたミッション——読書感想文。

しかも「新潮文庫の100冊から1冊選んで書け」という条件付きだ。


普段、本なんてまるで読まない息子。

まずやったのが、iPadに「何読めばいい?」と聞くこと。

令和の読書はAI頼みか、と苦笑いしつつも、ちょっと懐かしくなって私も100冊のラインナップを見てみた。


あった、あった。「車輪の下」「坊っちゃん」「罪と罰」……

あの頃と変わらぬ顔ぶれもいれば、「博士の愛した数式」「ツナグ」なんて、時代を感じる新顔たちも並んでいた。


悩む息子を前に、私が“初めての純文学”として選んだのは、夏目漱石の「こころ」。

高校生が読むには、やっぱりこれだろう。

あの独特の重たさ。静かに沈んでいくような読後感。

「なんかモヤモヤするんだけど…」と彼が言ってくれたら、父としては満点なのだ。


意気揚々と本屋に行くと——「こころ」、まさかの品切れ。

この国に「こころ」がないなんて、と少しばかりセンチメンタルになる父。


それでも手ぶらでは帰れない。

次なる選択肢として手に取ったのは、三島由紀夫の「金閣寺」。

ちょっとハードル高いか?と一瞬迷ったけれど、

美と破壊と、言葉の強度。

感情が揺さぶられる読書体験なら、きっとこれもまた“入口”になる。


そう信じて帰宅し、本を差し出した瞬間、息子が一言。

「わぁ、つまらなそう!」


……心、折れるかと思った。


いやいや、グッと堪えて思いなおす。

いつか彼はきっとわかるはずだ。

この装丁の重み、三島の文体の鋭さ、そして人間の内面の奥深さ。

「これを選んだお前のセンス、最高じゃん」と未来の誰かが褒めてくれる日が来る。

そんな小さな期待をこめて、父は今日も黙って見守るのである。
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