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867/1000 いらぬ心配の春 

2026/04/08
867/1000 いらぬ心配の春 

今日は末の娘の高校の入学式に参加してきた。

いつもは家の中でいちばん遅く起きるのに、この日ばかりは誰よりも早く起きていた。鏡の前で髪を整えたり、顔のあれこれに時間をかけたりしている様子が、なんとも微笑ましい。

出発前、Yシャツの腕のボタンが留められないと言って、こちらに腕を差し出してきた。

袖口のボタンを留めてやると、今度はボタンダウンの襟のボタンも、と言ってまた少し身を寄せてくる。

少し前までは当たり前だったその仕草が、今日は妙に印象に残った。こうして頼られる時間も、もうそう長くはないのだろうなと思う。

昨日は兄からネクタイの結び方を教わっていたそうだという。そう聞いて、ああ、そういえば彼にも同じことを教えたなと思い出した。時間というのは不思議なもので、同じ場面が少し形を変えて何度も巡ってくる。

出発前にぽつりと、

「友達できるかなー」

と言うところまで、兄とまったく同じだった。

そのときも同じように思ったものだが、それはきっと、いらぬ心配というやつだ。子どもたちは親が思うよりずっと軽やかに、新しい場所に根を張っていく。


会場で周囲の父母に目を移すと、どこか成人式のような風情があった。末の子ともなると、父母としては上の年齢層なのかもしれない。

まわりの父母が、どこか若く見えた。

しかもよく見ると、長髪、金髪、髭、ハット。親の校則違反がなかなか目立つ(笑)。


娘はと言えば、式が始まる頃には、初めて見る顔のクラスメイトともう親しげに話していた。やはり心配無用のようだった。

見送る背中を眺めながら、ああ、大丈夫だなと思う。


親たちにとっての3年間は、風のように過ぎるだろう。
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