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今年の息子の誕生日、何を贈ろうかと迷って、ちょっと変化球を投げてみた。
選んだのは、Nujabesのレコード。
いまどきの高校生にレコード? しかもプレーヤーもないのに?
と、自分でも思ったけれど、彼の好きなアーティストだし、なんとなく「これだな」と思った。
手渡した瞬間の反応が今までで一番良かった。
ジャケットを開けて、「うわ、これすんごくいい」と。
普段はスマホのサブスクで音楽を聴いているくせに、「これをレコードで聴くのがクールなんだよ」なんて、ニヤリと笑っていた。
で、もちろんプレーヤーがないわけで。
今、アンプとターンテーブルとスピーカーの入門セットを準備中。
だけど、息子の部屋じゃなくて、リビングに置くつもりだ。
狙っているのは、“一緒に聴く時間”をつくること。
会話があってもなくてもいい。ただ、同じ音楽を、同じ空間で聴く。
そんな時間が、今の親子にはちょうどいいんじゃないかと思ってる。
プレゼントって、モノを渡すことじゃなくて、その先の体験ごと贈ることだと思う。
レコードはその入り口でしかない。
でもそのおかげで、これから一緒に過ごせる時間が少し増えるなら、
それが一番うれしい。
彼が子どもでいてくれる時間は、あと2年半。
レコードの針を落とすその時間が、僕らの思い出になってくれるといいなと思ってる。
20年前、西洋占星術の先生に言われた言葉があります。
「あなたの人生のテーマは “消去と刷新” ですね。」
あのときは正直、よくわからなかったけれど、不思議と今も心に残っている言葉です。
ふり返ってみると、私はずっと「整理」と関わる人生を歩んできたように思います。
ごみ処理や家財整理といった仕事を通じて、
そして会社では、組織や仕組みを見直し整える役割を担ってきました。
地域の団体などでも、自然と「整える人」になっている気がします。
「整理」とは、不要なものを取り除くこと。
けれど、その“不要”を見極めることには、慎重さが必要です。
ときに、それが誰かの大切な思いや、長年守ってきた価値観に触れることもあります。
その過程で、無意識に誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれない。
だからこそ、丁寧に、誠実に向き合わなければと思っています。
でも実際には、「ありがとう」と言ってもらえることの方が多い。
私は、生み出す人というよりも、あるものを整え直す人。
混乱や滞りの中から、本来の形や流れを見出していく。
そんな役割が、自分らしさなんだと思っています。
もちろん、整理するというのは簡単なことではありません。
けれど、その過程には面白さも、やりがいもある。
大きな課題も、いきなり全部は動かせない。
でも、細かく分けて、今日できる一歩を進めていく。
そんなふうに、少しずつ整えていく人生なんだろうなと、最近よく思います。
すべての人間は、オリジナルだと思う。
誰一人として、まったく同じ人生なんて歩んでいない。
だから、本当は誰かの“正解”をなぞる必要なんてないのかもしれない。
3代目という立場で会社を受け継いでから、
私はずっと「あるべき姿」を探していた。
経営者って、こうあるべき。
リーダーって、こんなふうじゃないと。
そんな“正しさ”に、無意識のうちに振り回されていた気がする。
成功している誰かを見ては、自分に足りないものを数えていた。
けれどある日、ふと気づいたんです。
その“あるべき”は、他人の航海図であって、
私が進むべきルートとは限らないんじゃないか、と。
じゃあ、何を信じて進むのか。
それはやっぱり、自分の心がどこを向いているか。
そして、自分の持ち味。“本領”をちゃんと発揮できているか、なんだと思います。
これからの私は、流れに逆らわず、でも流されもせず、
静かに、自分の中の“芯”を信じて、舵を取っていきたい。
成功を焦って追いかけるのではなく、
与えられた流れの中で、自分らしく在り続けること。
それが、今の私にとっての「正しさ」なんだと思います。
50歳を前にしてようやく、そんなふうに思えるようになった。
これからの人生は、自分の答えを、自分の言葉で語っていこうと思う。
人生には、どうしても避けられない出来事がある。
突然の災害、身近な人の病、思いがけない別れ。
努力してきたことが崩れることもあるし、理由のわからない試練にぶつかることもある。
そんなとき、心は簡単に揺れる。
「なぜ、こんなことが起きるのか」
「何を間違ったんだろうか」
そう考えてしまうのは当然だ。
でも、ひとつだけ信じていたいことがある。
人生に起こることには、すべて意味があるということ。
その意味がすぐにわかるとは限らない。
苦しい渦中にいるときは、とてもじゃないけれど受け止められない。
それでも、そんなときこそ大切なのは、目の前の小さなことに心を向けること。
たとえば、挨拶をする。
深呼吸をして、自分の体に意識を戻す。
汚れた場所をひとつ、きれいにする。
そんな些細なことが、やがて心の軸になる。
感情に振り回されそうになりながらも、日々を丁寧に生きる。
ただそれだけのことが、やがて光を呼び込んでくれる。
「運が開ける」とは、
棚からぼたもちが落ちてくるような話ではない。
誰かから与えられるものでもない。
自分の人生を、自分の意思で引き受けること。
その姿勢の先に、運は自然と拓かれていく。
人生の波にのまれそうなときほど、
静かに、丁寧に、小さなことを大切にしよう。
それが、未来を変える力になるから。
アフリカに伝わるとされる、あるカバの話を紹介したい。
ある日、カバが川を渡っていると、突然、何かの拍子に片目を水に落としてしまった。
それに気づいたカバは、驚き、慌てふためく。
「大変だ、目がなくなった!」
バシャバシャと川の中をかき回し、必死に探す。
水をかき、足で蹴り、あちこちをひっくり返しながら探し続けた。
けれど、目は見つからない。
焦れば焦るほど、川の水は濁り、底は見えなくなっていく。
カバはやがて、息も絶え絶えになり、その場に座り込んだ。
そのときだった。
かき乱されていた川の水が、ゆっくりと静まり、澄んでいく。
濁りが引いて、底が見えるようになったその瞬間、
カバは自分の片目を、すぐそばに見つけたのだ。
焦っているときには、見えるものも見えない。
呼吸おけば、見失っていたものに、ふっと気づけることがある。
そんな教訓を含んだ、静かで美しい寓話だ。
私たちも、日々の生活のなかで、
何かを「なくした」と感じてバタバタと探し回ることがある。
時間や気持ちの余裕、自信、信頼……。
失ったと思って必死になるあまり、
余計に状況を悪くしてしまう。
けれど、そんなときこそ一呼吸。
無理に動かず、まずは立ち止まってみる。
すると、不思議と霧が晴れるように、
本当に大切なことが見えてきたりする。
今日もうまくいかないことがあるかもしれない。
けれど、焦らず、騒がず、カバのようにすとんと座ってみよう。
澄んだ水の中に、思いがけない“答え”が潜んでいるかもしれないのだから。